真宗遺族の方々に真宗遺族会結成をよびかけます
1985年(昭和60年)8月15日、首相・閣僚による靖国神社公式参拝が遂に強行されました。その是非をめぐっての議論を無視した強行なものでした。
何故それはどまでに靖国でなければならないのでしょうか。首相の公式参拝は戦没者遺族の要請であり、国民大多数の心情であるとしておりますが、十分な論拠があるのでしょうか。
また、もしそうであるとしても、この場合、遺族や国民の感情にもまして大切なことは戦没者自身の「いのち」をどのように考えるかということです。
このとき戦没者のいのちは特定のそれではなく、戦争によって被害を受けたすべてのいのちへと拡大されなければなりません。
それらのいのちのうめき声の中に「戦争はいかなる戦争も罪悪である」との証言が聞こえないのでしょうか。この大いなるいのちの要求にこたえるものこそ真実の宗教であると思います。
真宗者にとって仏教は、そのいのちの尊厳と平等をこの身に確立せしめる法であります。
親鸞聖人は自身にこれを体現し、その道をわれらが行くべき道として明らかにされました。この道を妨げる者に対しては厳しい抗議の姿勢を貫かれています。
このたびの靖国神社公式参拝実施はやがて国家護持法案に向かうことは必至です。
戦没者を「英霊」と讃え、戦争を「偉業」とするあり方はそのいのちのうめきに果たしてこたえるものなのでしょうか。
わたしたち遺族は真宗者として、共に聖人に学びつゝ誤りなき道を力強く歩んで行きたいと思います。ここに次の目標を掲げ真宗遺族会を結成します。
≪目 標≫
真宗遺族会−これからの歩み−